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→キャッシュフローで1000万円を稼ぐサラリーマン大家の収支を公開
Aさんとは相性がいいけど、Bさんとはどうも馬が合わない……。
こういった人間関係の悩みを抱える人は多いだろう。
投資にも向き不向きがある。
投資の手段は株、FX、不動産とさまざまだが、自分にとって相性のいい方法を
選択することが望ましい。相性ばっちりなら楽しく取り組めて、知恵を働かせ
られるもの。結果、資産は増えていくのだ。
福岡県に住む会社員のラブ☆スカイさん(41歳)の場合は、それが不動産投資
だった。
不動産投資に出会い、行動を起こして3年余り。新築アパートに特化したやり方
で物件を買い進め、現在建設中のものを含めて5棟所有。
同時に太陽光発電投資も行い、資産総額は3億2000万円に達している。
そんなラブ☆スカイさんの不動産投資ノウハウや太陽光発電投資の内容などを、
これまでの経緯とあわせて詳しく紹介しよう。
→株、FXと惨敗し、不動産投資で開眼!
3人の子どもを持つ父親のラブ☆スカイさんは、「シミュレーション好き」を
自認する。数年前のあるとき、子ども3人分の教育費を試算して愕然としたそ
うだ。
「小中高と公立で、大学+大学院が私立で下宿の場合、子ども一人当たり
2100万円の教育費が必要になる計算です。3人だと6300万円かかるのに、
給料収入から毎月10万円を18年間教育費に当てたとしても2160万円にしかならず、
到底足りません。子どもたちに十分な教育を受けさせてあげるには、
どうしたらいいのか。解決策として浮かんだのが、副収入を得ることでした」
まずは多少の経験があった株投資に挑戦。が、いつのまにか500万円のマイナスに。
次に挑戦したFX投資でも100万円を失い、撤退を余儀なくされる。
「株、FXの失敗を経て、行き着いたのが不動産投資なんです。大家業は仕事と
両立しやすく、思いどおりの成果も得られたのでハマりました。シミュレーション
を重ねて、自分が望むプランを実現するやり方を見出せたのがよかったのでしょう」
そのやり方のひとつは、地元・福岡で新築の木造アパートを建てること。
当初は中古アパートを見て回ったそうだが、なぜ新築を選んだのだろうか。
「中古アパートの場合、購入後に予想もしない修繕費用がかかるケースが多く、
収支を読めません。価値の低い物件だと融資の際、頭金に2割3割の自己資金が
必要なるのもネックでした。
一方、新築アパートの場合、当初10年くらいは多額の修繕費用は発生せず、
入居者も見込めて運営は安定します。融資でも自己資金は少なくてすむため、
レバレッジが効いてキャッシュフローを潤沢に得られるんです」
→新築アパートを3棟同時に購入!
ラブ☆スカイさんは福岡市内の駅近で建築プラン付きの土地を探し、
新築アパートを建てたのだが、このとき、驚きのやり方でスタートを切っている。
「じつは、新築アパートを3棟同時に購入しました」
普通ならまず1棟だろう。それをいきなり3棟とは、かなり無謀なのでは……。
「いいえ。1棟だけ購入するより、3棟同時に購入したほうが断然有利です。
計算上そう判断し、購入後も正解を実感しましたね」
その理由はこうだ。
木造アパート1棟の土地・建物の価格を6000万円前後に想定。
ほぼ全額を融資に頼り、金利2%前後で25年以上のローンを組めば、
家賃収入のキャッシュフローは年間最低100万円入ると予測できる。
そして前述したように新築は当初10年は修繕費用を考えなくてすみ、
入居も見込めて満室経営が望めるため、10年で1000万円は貯められると
いう計算に。
「これは1棟のケースで、問題は10年目以降です。10年目以降は家賃の
下落や修繕費用などが発生し、支出が増えていきます。その支出を
貯めた1000万円で賄うことになり、本来の目的である子どもたちの
教育費が奪われてしまう。なおかつローン終了後にはお金は
ほとんど残りません」
1棟ではなく、3棟持ちだったならどうなるか。
「10年後に貯まるのは3000万円ですよね。そのときには1棟分のローン
残高は3000万円程度ですから、3棟のうち1棟の借金を全額返済できる
わけです。すると10年目以降、1棟分の家賃収入全額が実入りになる。
私の想定では毎年400万円が入ってくるので教育費を十分賄えて、
そこからまた蓄えも増えていきます」
→1億8000万円の融資付けに成功!
どのように銀行マンを説得したのか!?
新築アパート3棟となると金額は億を超える。億単位の融資を
引き出すのは至難の業だったはずだが、どうやって口説いたのか。
「1棟ずつ3行の銀行に融資を依頼し、資料を用意して私の3棟同時購入
シミュレーションを各行の担当者に説明しました。加えて家族や
親せきの資産を公開して属性もアピールしたこともあり、承諾して
もらえたのでしょう」
融資額は3棟合計で1億8000万円。頭金は合計400万円程度ですんだ
そうだ。
3棟の新築アパートが完成し、運営開始半年後には“計画どおり”
借り換えを実行している。
「アパート投資の新参者には、銀行は高い金利を提示してきます。
融資を受けた3行の金利は平均3%でしたが、第一歩を踏み出すには
飲まざるを得えまません。でも、スタートさえできればOK。
借り換えをして金利を下げれば問題ないと思っていましたからね」
借入先の3行と別のM銀行に3棟まとめて借り換えを依頼し、
提示された金利は2%。「この結果を3行にそれぞれにぶつけたら、
『うちはまとめて1.8%でやります』となり、その結果を今度は
M銀行にぶつけたら、1.6%に下がり……と。最終的にはM銀行で
金利1.4%の借り換えが実現しました」
その後、3棟の実績をテコに4棟目、5棟目(現在建設中)の
新築アパートを購入。
「家賃収入のキャッシュフローは増やせば、10年で貯まる金額は
想定の3000万円を超えます。10年で1棟分のローン完済目標が、
2棟分や3棟分の完済を視野に入れられて、毎年400万円想定の
実入りは2倍3倍となるわけです」
→所有する全5棟の価格、利回りなどを公開
ここで、ラブ☆スカイさんが所有する5棟の新築木造アパート
の詳細を公開しよう。
1棟目(平成23年10月オープン)
所在地 福岡市西区。姪浜駅より徒歩7分
価格 5250万円
家賃収入 月34万円
間取り&部屋数 1K+ロフト8戸
利回り 7.77%
ローン内容 固定5年で金利1.4%、残り期間29年
2棟目(平成24年1月オープン)
所在地 福岡市博多区。博多駅より徒歩10分
価格 5190万円
家賃収入 月33万9000円
間取り&部屋数 1K+ロフト8戸
利回り 7.84%
ローン内容 固定5年で金利1.4%、残り期間24年
3棟目(平成24年6月オープン)
所在地 福岡市博多区。中州川端駅より徒歩圏
価格 6400万円
家賃収入 月44万3000円
間取り&部屋数 1K+ロフト4戸、1LDK+ロフト4戸
利回り 8.31%
ローン内容 固定5年で金利1.4%、残り期間24年
4棟目(平成25年3月オープン)
所在地 福岡県糟屋郡。新宮駅より徒歩1分
価格 5500万円
家賃収入 月34万円
間取り&部屋数 1LDK+ロフト4戸、2LDK+ロフト2戸
利回り 7.42%
ローン内容 固定5年で金利1.8%、残り期間25年
5棟目(平成27年4月オープン)
所在地 福岡市東区。箱崎駅より徒歩3分
価格 5840万円
家賃収入 月39万円
間取り&部屋数 1K+ロフト8戸
利回り 8.01%
ローン内容 固定5年で金利1.5%、残り期間25年
全5棟の家賃収入は月185万円。ローン返済を差し引くと、キャシュフローは
月約75万円に。この数字は満室想定だが、建設中の5棟目を除き、
大家業を始めてから満室状態が続いているそうだ。
→1円もかけずに太陽光発電を実現!
10年目以降には月28万円の収入が見込める!?
次に、太陽光発電投資に話を移そう。
太陽光発電投資とは、購入した土地に太陽光パネルを設置し、発電した
電気を電力会社に買い取ってもらう事業投資である。
ラブ☆スカイさんが太陽光発電投資に目をつけたのは6年前。自宅の屋根に
太陽光パネルを設置したのがきっかけだったという。
「自宅をオール電化にしたら、思いのほか光熱費を節約でき、売電収入も
入ってきたんです。設置容量は5.9kwで、買い取り価は
現在(10kw未満37円、2014年度)より格段に高くて1kw時当たり48円。
月平均1万7000円のプラスになって驚きでしたね」
この経験が頭にあり、所有する3棟の新築アパートの屋根に
太陽光パネルを設置することにしたそうだ。
「導入にあたって業者5社で相見積もりをとり、価格の安さとサービスの
良し悪しを見極めて1社に決めました。日本政策金融公庫から1000万円の
融資を引いて設備資金を全額調達できたため、自己資金は1円も
かかっていません」
平成25年10月に売電を開始。3機すべて10kw以上の設置容量で、
買い取り価格は1kw時あたり38円の固定20年。
「3機合計の売電収入は月平均11万円を維持しています」
その後、祖母の土地を借り、野立ての太陽光発電投資にも着手している。
「母親の実家が熊本にあり、そこに住む祖母が山の中腹に約6000坪の
広大な土地を所有していたんです。フラットな土地で太陽光パネル
を設置するにはもってこい。
再び日本政策金融公庫にお願いして設備資金を全額融資してもらい、
50kwの大規模容量の太陽光システムを実現できました」
この野立ても買い取り価格は1kw時当たり38円で、固定20年。
平成26年12月に売電を開始して現在数か月だが、月平均16万円の
売電収入を得ているとのこと。
→利回りは新築アパートより高く、10%以上!
以下は、太陽光発電投資の収支詳細だ。
〇自宅太陽光システム
売電開始時期 平成19年11月
投資総額 200万円
設置容量 5.9kw
1kw時当たりの買い取り価格 48円
売電収入 月平均1万7000円
利回り 10.20%
〇1棟目太陽光システム
売電開始時期 平成25年10月
投資総額 280万円
設置容量 10kw
1kw時当たりの買い取り価格 38円
売電収入 月平均2万8000円
利回り 12.00%
〇2棟目太陽光システム
売電開始時期 平成25年10月
投資総額 280万円
設置容量 10kw
1kw時当たりの買い取り価格 38円
売電収入 月平均2万9000円
利回り 12.43%
〇3棟目太陽光システム
売電開始時期 平成25年10月
投資総額 430万円
設置容量 16kw
1kw時当たりの買い取り価格 38円
売電収入 月平均5万2000円
利回り 14.51%
〇熊本野立て太陽光システム
売電開始時期 平成26年10月
投資総額 1340万円
設置容量 50kw
1kw時当たりの買い取り価格 38円
売電収入 月平均16万円
利回り 14.33%
全5機の売電収入は月平均28万6000円。ローン返済を差し引くと
キャシュフローは月平均10万円だが、手持ち資金を一切使って
いないので御の字だろう。
「見ての通り、新築アパートより太陽光発電投資のほうが利回りが
高いのも大きな利点です。新築アパートは10年以降に支出が増えるため、
それに備えて太陽光設備の融資は金利1.8%、返済期間10年で組みました。
10年後にローンを完済したら、残る買い取り期間10年は
月平均28万6000円の売電収入が見込めるわけです」
5棟の新築アパートを所有し、5機の太陽光システムが稼働する現在の
副収入合計は年間約2500万円。ローン返済を差し引いた
キャッシュフローは年間約1000万円(建設中の5棟目のアパート含む)
というからすごい数字だ。
→今後の太陽光発電投資に、果たして旨みはあるのか!?
現在、太陽光発電投資の買い取り制度に暗雲が立ち込めている。
投資家の応募殺到により送電網の容量を超えてしまい、一部の
電力会社では新規の買い取り契約をストップしているのである。
また、過熱する太陽光発電を抑制すべく、国が買い取り価格の
大幅な引き下げを検討しているのも気になるところ。
これから太陽光発電投資を始める場合には、買い取り契約を継続
している電力会社を選択しなくてはならい。そして該当地域で
太陽光発電を開始したら、買い取り価格の下落は避けられないはずだ。
はたして今後、太陽光発電投資をやる旨味はあるのか。
「十分旨味はあると思いますよ。というのは、買い取り価格が下落しても、
太陽光システムの工事費用が昔よりかなり安くなってきているため、
利回りは大きく変からないと読めるからです」
5~6年前の工事費用は1kw当たり50万円前後だったが、現在はその半分、
25万円前後の工事費用をウリにする業者も出てきているという。
「仮に買い取り価格が1kw時当たり30円以下になったとしても、
工事費用はかつての半値ですから、計算上は10%台前半の利回りを望めます。
さらに私の場合は節税対策という観点からも、太陽光発電投資をやる
メリットがありますね」
→子どもには1円も相続させない
今後も新築アパートと太陽光発電の投資を続けるというラブ☆スカイさん。
「できるだけ手持ち資金を使わず、レバレッジを効かせてキャッシュフローを
厚くするのが私の戦略です。何度もお伝えしていますが、新築アパート
10年目以降の冬の時代に備え、現金を増やしていくことを第一に考えています」
前述したように10年目に一部物件のローン返済を完済し、目的とする
子どもの教育を終えたら、あとは老後資金が増えていくばかり。
「余談ですが、子どもたちには現金や不動産など1円の相続もさせないつもり
です。
何の苦労もせずに得たお金は一瞬にして使い果たし、あとには何も残りません。
子どもたちにはお金を有効に使う術を一から学びつつ、自分の力で道を切り
開いてもらいたいと思っています」
不動産投資と太陽光発電投資。どちらも賢く知恵を働かせれば、現金を積み
上げていける仕組みを築けるのは間違いない。シミュレーションを入念に行い、
行動を起こした成功を手にしたラブ☆スカイさんの例はその証明である。
ラブ☆スカイさんのプロフィール
会社員。株投資、FX投資を経て、2011年より不動産投資を開始。
現在、地元・福岡に新築アパートを5棟所有し、太陽光発電投資にも
取り組む。年間キャッシュフローは約1000万円。妻と子ども3人の5人家族。
福岡県在住。
ブログ:https://lovesky.jp/